「ターンオーバー」という言葉をご存知でしょうか。

スキンケアにご関心がある人はご承知のことと思いますが、肌は常に生まれ変わっており、サイクルがあります。

◾︎ターンオーバーとは

皮膚の基底層と呼ばれる所で作られた細胞が、成熟して姿を変えながら角質層へと押し上げられ、角片（アカ）となって剥がれ落ちます。

この期間のことを、ターンオーバー（角化）と呼びます。

今回のコラムは、ターンオーバーと美肌の関係について詳しく解説いたします。

◾︎ターンオーバーを理解しよう

ターンオーバーの期間は肌の部位や年齢によって異なりますが、正常な皮膚では約28日間です。

（基底層で作られた細胞が角質細胞になるまでに14日間、さらに剥がれ落ちるまでに14日間かかります。）

30代に入ると急激に遅くなり、40代では40～50日、60代では約100日程度かかると言われております。

◾︎ターンオーバーの遅れによる肌への影響

・透明感・滑らかさがなくなる

加齢と共にターンオーバーが順調に行われなくなると、古い角質が肥厚します。

その影響で角質細胞が不揃いになり、肌表面のキメが乱れるため、透明感・滑らかさがなくなります。

・乾燥肌を招く

さらに水分保持と関係が深いセラミド（細胞間脂質）は、ターンオーバーの過程で作られるため、バリア機能（水分蒸散を防ぐ役割）が低下して乾燥肌を招く原因になります。

・シミができやすくなる

輪をかけるようにターンオーバーが遅くなることにより、シミの原因となるメラニン色素を排出する力が衰えてきます。

そのため、メラニンが停滞してシミができやすくなります。

さらには表皮全体が薄くなるため、シワが寄りやすくなり老け顔を助長します。

つまりターンオーバーは、年齢に則した美肌を維持するためのカギを握っている、と言っても過言ではありません。

◾︎ピーリングで古い角質を落とそう

ターンオーバーの遅れは加齢に伴う自然現象ですから、元に戻すことはできません。

何か有効な手立てはないのでしょうか。

そこでお勧めしたいのが、ターンオーバーの遅れに伴い蓄積した古い角質を落とす「ピーリング」です。

◾︎ピーリングについて

美容皮膚科ではケミカルピーリングとして認知度の高い美肌治療ですが、最近は自宅でも手軽に行える化粧品タイプのものが登場しています。

面倒・怖いというイメージがありますが、ホームピーリングは生理作用が緩和で手軽に行えます。

定期的・継続的に取り入れることによって、予防効果が高まるでしょう。

◾︎ターンオーバーの遅れに最適な化粧品

ターンオーバーの遅れによるダメージが最も大きいのは、角質層に存在するセラミド（細胞間脂質）です。

セラミド（細胞間脂質）はキメ・透明感・滑らかさ・潤い具合など、見た目の美しさを左右する重要な役割を担っています。

セラミド（細胞間脂質）を育てるにはピーリングに加えて、保湿成分を補うことがポイントになります。

セラミド2・セラミド3・ステアリン酸コレステロール・ヒアルロン酸Na・水溶性コラーゲンなどの、保湿力が高い成分が配合された美容液が効果的です。

◾︎十分な睡眠を確保しよう

肌の再生（細胞分裂）は、寝ている間に行われます。

寝不足になると肌の活力が低下し、日常的に繰り返されることで肌老化を促進します。

毎日、最低でも6時間の睡眠が必要不可欠だと推測されます。

◾︎まとめ

美しく歳を重ねたい。それは、全ての女性が常に抱いている願望です。

話題性や人気のある化粧品に手を出す前に、基本的な肌の仕組みや老化メカニズムを正しく理解することが先決です。

そうすれば、自ずと答えは見えてきます。