解説

ニンニクは疲れ予防とダイエットに効果あり！

ニンニクというと、スタミナ、疲労回復という言葉が頭に浮かぶのではないでしょうか。ニンニクの栄養素が入った栄養ドリンクも売られていて、多くの人が「ニンニクを食べるとスタミナがつく」「疲れが取れる」ということをイメージすると思います。

人類とニンニクとの関係には、紀元前の古代エジプト時代に、ピラミッド建設に従事する労働者達に活力を与えるためニンニクを食べさせたといわれているほど深い歴史があります。日本では、日本書紀や古事記に、鎮痛、解熱、強壮、魔除けなどに用いられたと記述があり、古くから人々の生活に密着し取り入れられてきました。

ニンニクの滋養強壮、殺菌作用、鎮痛などの効果は、ニンニク特有のにおいの素である“アリシン”という栄養成分によるものです。このアリシンは免疫を強化して風邪を予防したり、ガンを予防したりする作用があるといわれています。ニンニクは、このように身体の免疫を助けてくれるだけでなく、皮下脂肪を減らす作用も期待できます。

ニンニクにはダイエット効果はどのような栄養素からくるのでしょうか。これは、ニンニクに含まれているビタミンB1とにおいの素アリシンとの結びつきが非常に強いことが関係しています。

「代謝」は脂肪燃焼のキーワード

それでは、ニンニクのダイエット効果はどのような栄養素がもたらしてくれるのでしょうか。その正体はビタミンB1。ニンニクには、糖質の代謝に必要なビタミンB1が多く含まれており、糖質をエネルギーに変える働きを助けることができます。この代謝がうまくいかないと、身体に疲れがたまったり、エネルギー消費が減って痩せにくくなりますので、外食続きの人や糖分を多く取っている人は、意識してビタミンB1を取ると良いでしょう。

そして、ニンニクのビタミンB1とアリシンが結びつくと、体内で脂溶性のアリチアミンという物質に変化します。ビタミンB1は水溶性であるため、身体から排出されやすく糖質をエネルギーに変える働きが長く続きません。日々の食事で必要な量を補わなくてはならないのです。しかし、アリチアミンに変化して脂溶性に変わることにより、ビタミンB1が体外へ排出されるスピードが遅くなるため、ビタミンB1の効果が持続しやすくなります。ニンニクを食べることでスタミナがつき、代謝も高まるため、身体を痩せ体質に変えていけるというわけですね。

さらに、ニンニクを食べると、ノルアドレナリンという物質の分泌がさかんになります。ノルアドレナリンは脂肪を分解する酵素であるリパーゼを活性化し、リパーゼは体内の脂肪を分解します。このようにして分解された脂肪は全身の筋肉でエネルギーとして利用されます。つまり、ニンニクには、ビタミンB1による代謝アップとノルアドレナリンによる脂肪分解酵素の活性化という二重の脂肪燃焼効果が期待できるというわけですね。

疲れを感じやすい方やダイエットを意識している方は、ニンニク料理を食卓に乗せる回数を増やしてみると良いでしょう。ただし、大量のニンニクは胃もたれや腹痛を起こす原因になります。毎日、少しずつ取り入れることから始めてみましょう。

統計データ

週に１回以上、ニンニクを食べていない人は、皮下脂肪が多くなるリスクが2.16倍になります。

A: 週に１回以上、ニンニクを食べていますか？
B: 皮下脂肪は多いですか？